私がMRから転職しようと思った最大の理由として、転勤の多さがありました。MRに興味がある方やMRとして今後どうしていこうかと悩んでいる方に向けて、転勤の状況を紹介します。
結論から先に述べますが、転勤は定期的にあり、全国どこでも行く可能性があると考えておくのが良いと思います。
その分、福利厚生が厚く、年収も高いということを差し引いて、自分がどこまで転勤に耐えられるか、を考える必要があります。
また、全国転勤を避ける方法はあるのかについても、後半で紹介しています。
MRの転勤の状況
転勤は大手の製薬メーカーであれば100%あると考えてもらったほうがよいです。しかも、全国転勤です。日本の隅から隅まで、医療機関があるところにはMRを配置しているケースが多いです。離島担当といった人もいますが、これは逆に希望している人もいますよね(奄美大島とか好きな先輩が希望で行ってました)。
転勤頻度
転勤の頻度は、だいたい5〜10年が相場として多く、もちろん極端に短いケースや長いケースもまあまあありますが、基本は5〜10年の間に転勤があるなと感じるケースがほとんどです。
これぐらいの転勤の頻度として設定されている理由は、主にエリアの成長曲線という面が大きいと考えています。成長曲線という言い方をしましたが、どのような成長サイクルであるかといったほうが正しいかもしれません。
どのように市場成長をさせていくかということかになりますが、それが5〜10年のスパンであるということになります。詳しくは別記事で紹介します。
転勤のエリア
転勤先のエリアは、支店管轄内で異動する場合と、無作為に異動していく場合の大きく2つに当てはまります。
支店管轄内で異動する場合は、優秀で支店外に出したくないMRと問題があり支店外に出せないMRの2種類が見受けられます。優秀なMRというのは、支店の実績貢献性が高いため、支店内の市場の高いエリアに担当を点々と持つケースがよくあります。逆に問題があるMRは、支店内で問題解決を図られることが多いかつ他の支店があまり受け入れてくれないというこもあるため、改善やほとぼりが冷めるまでは支店内での転勤に収まることが多く見られます。
無作為に異動する場合は、最もMRに多い転勤のパターンです。縁もゆかりも無いところに突然、「転勤です、行ってください」となるケースですね。自分の出身地や大学等も考慮されず、全く予期しないエリアに行くことも往々にしてあります。
転勤先の希望は通るか
転勤先の希望は基本的には通りません。これはMRとしての宿命であり、受け入れる必要があります。
転勤の出世への影響
転勤の出世への影響は、あります。転勤を拒むことが正直可能です。転勤を拒むことによって、人事が一部変わることも目にしたことがあります。ただ、もちろん拒むことでかなりの人に影響が出るため、心象も良くないですし、出世へにマイナスに働くことになります。
MRの出世には、上司が大きく関わってくるため、使いにくい(転勤を嫌がる)人は出世させづらいということは言うまでもないことだと思います。
MRの転勤のライフプランに与える影響
転勤はライフプランに大きく影響してきますが、ネガティブな要素だけでなく、ポジティブな要素もあると思っています。それぞれまとめました。
ポジティブな面
- 担当エリアのマンネリ化から脱せられる
- 実績をリセットできる
- いろいろな土地に詳しくなる
- 全国的に社内(外)のネットワークが広がる
- 出会いも多い
個人的には、1〜2が仕事上は助かるなと感じるところで、やはり長期的に同じエリアを担当していると、マンネリ化してくる部分もあるし、どうしても状況が固まってきていまい苦しい状況に陥ることがあるので、一定期間で担当先が変わることが本当に助けられます。
同様に理由で、実績をリセットできるということも大きな部分です。MRの方は経験あると思いますが、明らかに貧乏くじを引いたなと感じるエリアや担当先があるので、そういった場合も転勤することで逃れることもできます。
3〜5については、言わずもがなですね。
ネガティブな面
- 毎回1からのスタートとなる
- 家族がいる場合には、負担が大きい
- 引っ越しが多く安定しない
- 単身赴任となる可能性が大きい
- ライフプランが立てにくい
ライフプランへのネガティブな影響度としては、2,3,4が特に大きいです。結婚相手は転勤を受け入れてくれるのか、子どもがいる場合は転校等させるのか、奥さんが仕事しているのなら辞めるのか、問題は尽きないと思います。
5については、転勤のタイミングも個人で決まられるわけではないため、全く人生設計を立てることができないです。そのあたりも覚悟して、MRを選ぶ・MRを続けるという選択をしなければならないです。
私は、転勤が人生の妨げになると確信したため、転職することを決めました。人それぞれだと思いますが、先のことは何も考えていないという方は、これを機会に改めて長期目線でライフプランを考えてみてください。
転職については、下記記事に触れていますので、ご参考になれば幸いです。
mr-source.com
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結局、MRは転勤を楽しめるか
結局は転勤を楽しめるかだと思います。MR経験が長くなってきている人を見ると、転勤を楽しんでいるように見えます。新しい土地での出会いやお店等の散策をすごく楽しんでいます。土地によって人柄や文化の違いも感じることができるため、人生にいい刺激をもたらしてくれるスパイスにもなります。
自分自身が転勤を楽しめるのか、そして自分の周囲の人(家族・恋人)はどう考えているかを聞いてみてください。
転勤がないMR
ここまで転勤ありきのMRを話してきましたが、選択肢は少ないものの転勤のないMRもあります。下記に挙げられるものが、転勤がないこと場合のあるMR例になります。それぞれ簡単に紹介しますので、参考になれば嬉しいです。
コントラクトMR
言い方を変えれば、派遣型のMRです。IQVAやアボット等のメーカーがこれに当てはまりますが、コントラクトMRがすべて転勤がないというと、そうではありません。メーカーによっては全国転勤をベースとしているところもありますし、一方でエリア固定での採用をしているところもあります。
色々なメーカーを経験することができるため、自己成長としては大きいと思います。
ただ、コントラクトMRの場合には、別の問題があると考えています。それは、キャリア的なものです。コントラクトMRは、製薬企業からの依頼を元に派遣するビジネスであるため、希望するMR条件に合致したMRを派遣する必要があります。自分に独自の経験があったり(例:オンコロジー、希少疾患)、実績が豊富である場合には、積極的にアサインされる可能性がありますが、アサインがない期間が多いと首切りのリスクもあるということです。さらに、今後のキャリアとして、大手製薬メーカーに比べると不明瞭であったり、狭き門だったりします。
地域固定型MR
上記コントラクトMRとは別に、大手製薬メーカーの中にも地域固定型MRで採用されているケースを目にします。女性に多い印象ですが、地域を固定してMRとして働くことができています。ただ、通常よりも年収が低い場合や何かしらの条件がついていることが多いように思われます。
ベンチャーの製薬メーカー
ベンチャーの製薬メーカーにおいては、少数先鋭であるため、エリア固定で優秀な人材を確保しているケースがあります。また、少数であるため広範囲のエリアを担当するため、エリア固定にしているということもあります。
いずれも、いつまでもエリア固定で行けるのかといったところが約束されているわけではないと思いますので、よくよく調べて見る必要があります。
まとめ
MRは転勤がつきものであり、冒頭にも述べたように、転勤があるからこその福利厚生がしっかりしている部分もあります。そのため、エリア限定することには一長一短があるのかなと思います。
また、今転勤することが苦でないとしても、5年後は?10年後は?15年後は?と仮定した場合に、ライフプランが描けるのかどうかを見直してください。