転職エージェントの利用時に注意したいことを、自身の転職経験とエージェントの方から聞いた話から紹介します。
まず、転職時には、絶対にエージェントを利用した方が良いです。ただし、なりゆきに任せて、しっかり検討せずに利用すると転職に失敗します。
エージェントにも社内評価があり、営業的要素があるので、しっかり見極めて利用した方が良いです。
転職エージェントは、転職が成功した方の想定年収からフィーが発生する
転職エージェントのフィーが入るシステムからお話しすると、基本的には紹介者がその会社に入社して1年経った段階で、想定年収の20〜40%程度がフィーとして担当者につきます。
言い換えれば、エージェントは、複数の求職者を自身の商品として、各社に売り込んでいき、採用となった時点で初めて想定年収という商品価値がつきます。そして、入社から1年後に売上が入ってくるというシステムです。
エージェントは社内評価を得るために、手持ちの商品を増やし、売れ残りがないようにどんどん売っていくというのが理想となります。
エージェントにとって売れる人材というのは、力を入れずして売れていくため、積極的に欲しいということは容易に想像できます。
しかし、売れる人材は、それほど市場に多くいるわけでもないので、各企業にとってニーズの高い人材を用意(マッチング)することで、市場価値を高めていきます。
その中で、エージェントよっていくつかのパターンに分けられます。
人材の扱い方のパターンは大きく3つ
- 採用の可能性が高い案件への誘導
- 若干下駄を履かせて届きそうな案件への紹介
- 時間をかけてチャレンジ案件を目指す
採用の可能性が高い案件への誘導
これは比較的多いパターンだと私は考えています。経歴や資格等から採用の可能性の高いところから案内を開始する、あまり無理をしないパターンです。
あまり付加価値をつけず、可能性の高いところにマッチングさせるので、時間もかからず、1番ローコストで利益を出すことができます。
求職者としては、「転職する」という目的を達することができますが、大きな年収アップなどはあまり望めないパターンです。
注:求職者の方の経歴や資格に市場的価値があり、それにより、良い案件にマッチングできた際には、その限りではありません。
若干下駄を履かせて届きそうな案件への紹介
エージェントと求職者とがwin winとなるパターンです。
実際に求職者の希望としても、「年収を上げたい」や「人気職種への希望」などが多く、ある程度の対策をして今より上の企業に転職を目指したいと思っています。
このパターンにおいては、求職者の経歴等をしっかり棚卸しして、使えるスキルや成功事例のプロセスから再現性はあるかなど、いろいろな部分で深掘りを実施します。
その上で、希望する職種に不足している部分を、面談や推薦図書等で補ってスキルアップして行きます。
こういった過程を踏むため、1つ目のパターンより時間がかかるため、エージェントの負担も大きいと言えます。
(これ読んだいてくださいと、丸投げのこともありますが)
時間をかけてチャレンジ案件を目指す
このパターンについては、高年収な職種やそもそも転職先として難易度が高いところを狙う場合に当てはまります(独自の対策が必要な場合など)。
例えば、コンサルがわかりやすい事例だと思います。コンサルは、転職先としての難易度も高く、かつケース面接対策やweb試験対策など、対策すべきことが多いです。
このパターンについては、他案件に比べて、成功率も低いため、最低限のベースがないと、「ここを目指すのは難しいかもしれない」と足切りを受けることもあります。
自分を担当しているエージェントは、どのパターンで転職活動をサポートしてくれていますか?改めて振り返ってみてください。
これらの紹介した3パターンについて、エージェントにとって利益率がいいのはどのパターンでしょうか。
それは、かける時間と想定年収がポイントになります。
相談前に自分の転職市場における価値(想定年収)を把握しておくことで、エージェントからの紹介に妥当性があるのかを判断することもできつので、事前に調べておくと良いでしょう。
無料で調べるなら、ミイダスを利用すると簡単にわかるのでおすすめです。
時間をかけるほど、利益は下がる
当たり前のことですが、求職者一人当たりにかける時間によって利益が変わります。
例えば、
- 想定年収500万円、フィー30%、工数15時間
- 想定年収1000万円、フィー30%、工数30時間
いずれも10万/時間です。
つまり高年収の求職者においても、工数がかかると利益は低くなってしまいます。
これは個人の見解ですが、想定年収によってかけられる時間が変わってくるように思います。
自分のペースで進められているか、時間を割いてくれているかを、確認した方が良いでしょう。
1日選考会の案内は、エージェントとしてはチャンス
コンサルファームなどは、1日選考会などを頻繁に実施していますが、これはエージェントにとって、非常に効率の良い機会です。
というのも、1回につき多数の求職者を紹介できますし、1面接ごとのフィードバックやその都度対策を必要としないため、工数が少なく済みます。つまり、利益率が高く保つことができます。
もちろん、1日選考会に向けてしっかりと対策をしてくれていれば、それは問題ないですが、「1日選考会を実施していますよ」というエントリーを促すメールや案内だけをもらい、それだけで応募すると、ただの商品として取り扱われているかもしれないので注意してください。
コンサル転職の記事については、こちらをご覧ください。
pikopikopun.hatenablog.com
良し悪しの見分け方は、時間のかけ方でわかる
エージェントの良し悪しとして、ここまでお話してきたように、どれだけ時間をかけてくれているかが、一つの指標になると思います。もちろん、他の判断要素として、情報を持っているか・対策が的を得ているか・レスポンスが早いかなどもありますが、時間という部分は、わかりやすい判断材料かと思います。
自分に価値を見出してくれているのか、ただの商品として扱われているのか、エージェントの対応から見極めましょう。
転職フィーを後出しで支払うよりも、適切な価格を事前に支払うことで、最良のサポートを受けることもできます。
例えば、ポジウィルキャリアであれば、年収150万アップの事例もあり、45分の無料面談でキャリア相談が可能ですので、一度キャリアに不安がある場合には相談してみることをおすすめします。
※求人を紹介するサービスではないのが特徴で、求人ありきの進め方にはならないため、純粋にキャリアについてサポートを受けるということに非常に向いています。
最後に、転職エージェントは使うべき
ここまで、エージェントに対しての注意をお伝えしてきましたが、本当に良いエージェントは、最高の転職活動のサポートをしてくれます。
転職活動の主役は自身なので、努力は必要です。それをしっかりとした情報に基づき、正しい方向に導いてくれるエージェントに出会えるように祈っています。